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キューバシガーで有名な「ハズレ」の考察

お、これは美味いなぁ。

と、まだ紹介していないキューバシガーの二回目の喫煙のときだった。

楽しみにしていた喫煙は台無し。味わいは加湿しているとは思えないほど辛く、芳香性がまるで違う――。

あの芸術的な味わいはどこへやら。キューバシガーでは名高い「大ハズレ」というやつである。

葉巻の世界では比較的ありがちな話ではあるが。しかし。

なぜ、恐らく同じように生育し、同じように作ったものがこうなるのか。

少し考えてみる。


第一に、ハズレの葉は人間の視覚、聴覚、嗅覚では選別することができないというのが現状ということ。わかりゃ除く。そりゃそうだ。

もっとも、キューバのようなハズレが比較的多い地域もあれば、個人的にほとんどハズレがないブランドもある点、視覚に関しては留意しておく必要がある。

ハズレが少ないブランドは、何らかの簡易な方法で選別している可能性が高いからだ。恐らく、人間では視覚がもっとも可能性が高い。

第二に、おそらくシガーを作成する乾燥等の過程では発生していないこと。

ウイスキーにもありがちな話だが、何らかの理由で保管する場合、保管する場所の位置と温度で味わいが大きく変化することが実は普通にある。しかし、この場合、製造者がそのことに気づく可能性が非常に高く、品質を均一化するため、対策をするだろう。特に商品としての歴史が長い場合は、ほぼ気づくだろう。よって、この可能性はほぼなし。

となると、葉の個体差という可能性が一番高いが、個人的には「虫害にあったタバコ葉」だと思える。

というのも、タバコはナス科の植物だという点を忘れてはいけない。ナス科はユニークな植物がかなり多い。

トマトはその自己防衛機能が研究されていて、その凄まじく激烈な能力は是非、自分で調べていただきたい。ジャガイモも、その毒性は虫害から自らを守るものだったりする。ナスそのものの研究はあまりなされてはいないものの、あく抜きを必要とする性質は、実はまさに防虫によるものだったり。他にも防虫で有名なトウガラシがあったりと。ナス科は基本的に虫に対する防虫機能が高いものが多いと思える。

タバコも例にもれず、防虫、殺虫で大いに力を発揮するニコチンを持っている。それだけではない。簡易的に調べてみたものの、タバコは害虫に襲われたとき、害虫を駆除する益虫を呼び出す成分を放出し、駆除するのである。ちなみにここから憶測だが、放出すると同時に、植物が自己防衛のために放出する、苦味や辛み成分のようなもの(トマトがそういった性質を持っている)を葉に放出しているのではないだろうか。これは植物がおおよそ持っていると思われる性質なので、この可能性は非常に高いと思われる。そしてこの、防虫による物質の変化こそ「ハズレ」の葉なのではないだろうか。

ちなみに余談だが、虫に葉を食わせて、この自己防衛(?)によって葉の風味を大きく変える作用は烏龍茶で使われていたりする。ついでに美味。

つまり、ハズレというのは虫害によって発生した葉なのだ。

いやいや、それこそ気づくのではないだろうか、と思われるだろう。

完全な憶測だが、葉の側面の小さな虫害にあった部分などは、切除して普通に利用してしまうのではないだろうか。イチイチ小さな虫害を気にして捨ててしまうと、おそらく膨大な量を廃棄してしまうことになるだろう。あるいは、日本のフルーツのように大量の農薬を限界まで投薬するか。コスト的に利用するのが一番良いだろう。

この段階、虫害のあった葉の選別で、「ハズレ」の多いブランド、少ないブランドというのがはっきり生み出されるのではないかと思う。厳しく選別すれば、当然、物は発生しない。あるいは、農薬をジャブジャブ使えば、当然虫害は少ないので、品質だけを見れば「ハズレ」の少ない高品質なものが大量生産される。

まぁ、かなりの憶測な理論なもので大変恐縮だが。最後にキューバの大らかさを忘れてはいけない。日本では100%理解されない、水シミやノリの青みなど、実にいい加減さ極まりないおおらかで不愉快極まりないユニークな仕事をする、世界的な葉巻を見てみても、外見をあまり気にしない陽気な珍しい国である。私の経験則上、仕事というものは、外見がいい加減な場合、中身はもっといい加減である。まぁ、つまり、キューバ産の葉巻の「ハズレ」というのは、憶測だが、その可能性がかなり高いんじゃないかなぁ、なんて思うわけだ。一昔前じゃ、キューバの葉巻はタバコ虫が100%存在しているから、絶対に冷凍庫で冷凍処理しろ、といった具合だったわけで。天然物100%なのだ(爆笑




by dondiego4 | 2019-09-04 02:42 | 雑記