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ニッカ テーラード

新年一発目の記事はまさかのウイスキーレビュー。

皆さんご無沙汰しております。ご挨拶もせずに長らく放置しておりましたが、

あいにく世相は凶事ときておりまして、

世辞的なものはかえって不作法といったところでしょう。

意外にもしぶとく生きておりました。皆様いかがご健在でしょうか。

さて、タバコのレビューサイトが一発目にウイスキーレビューときたのは、訳があります。

というのも、記事別アクセスではなんと響のブレンダーズチョイスがトップなのです。

レビューなんぞ見ないで自分で買って飲め!!!! と言いたいところですが、

なかなかどうして、一万円の大金を使うにはドブに捨てる現状難しい現状のジャパニーズウイスキーなわけです。

サントリーはさすがに「サントリーさん」なわけで、なんやかんやで現状、上手くやったと思います。

実際、ブレンダーズチョイスさえあれば、私自身は何も困りません。山崎? 白州? 飲み飽きました。

ある程度シングルモルトを飲みまくってしまうと、ぶっちゃけ飽きて、味わい深くて飲みやすいブレンドへ行くわけです。

そんなジャパニーズウイスキーで、ましてブレンドといえば「ニッカ」です。ブレンデッドウイスキーとは「ニッカ」なわけです。


今回紹介するのは「ザ・ニッカ テーラード」です。

「ザ・ニッカ」シリーズは、前作の12年のときから飲んでいますが、なかなか思い出深いエピソードがあります。

私はしっかり瓶を買ってじっくり飲んで味わいを理解するタイプなわけですが、12年のときは、ニッカのウイスキーで恐らく初めて低評価をしました。

買ってきて、飲んですぐに、いつも作っている人が作ったものではないことを確信しました。いつものブレンダーといえば、チーフブレンダーの佐久間氏でしょうね。

調べてびっくり、なんと新人の子が作ったものじゃありませんか。

悪い味わいではないんですがね。売りにしている宮城峡のシェリー原酒が飲み進めていくうちに喉にひっかかりはじめ、また、ニッカご自慢のカフェグレーンの味わいが非常にうざい味わいへと変化し、味が反響しあい、結局バランスの悪い、飲み心地の非常に悪いウイスキーでした。ブレンデッドとしては致命的です。結局すぐに兄弟に無料であげてしまいました。

ま、終売となった今だからはっきり言いますが、色々研究したり味わいをどうこうする前に、

家を出て、毎日のようにBarへ通い、素晴らしいウイスキーを大枚はたいて200杯ほど飲んでから作るべきです。

厳しく言えば給料全額突っ込んでBarで飲めってことですね。あるいはスコッチをボトルで買って飲み耽るべきです。

飲んですぐに「あ、こいつわかってねーな」と思われたら、ブレンダーとしては0点。

良い物を作りたいなら、良い物を知りなさい ということです。

先輩たちも後輩にただ仕事を与えるのではなく、きちんと飲みにつれて、「本物」を教える教育をすべき、なんでしょうが、心もサイフも貧乏な時代なんでしょうね。

後輩にまともな酒も飲ませていないようじゃ、まともな酒は作れんでしょうなぁ・・・。

偉そうなご託は良いとして。

今回のテーラードはかなりいいですね。

私の大好きだった「ブレンド オブ ニッカ」をベースにした味わいです。

味わい 余市原酒特有の燻製香とりんご(りんごは宮城峡の方かもしれない) ある程度熟成させたであろうカフェグレーンの甘い麦のクリーミーで濃厚な甘さ 宮城峡の甘いミルキーな甘さもある 隠し味的にシェリー樽の余韻もある あるというか宮城峡のシェリーの甘さがはっきりあると思う 一体感があって素晴らしい 氷が解け進んでいくと桃の味わいが見え始め、一方で燻製香もよく出ている 

これぞブレンド、これぞニッカといった水準にまでギリギリ達していると思います。値段以外は。ブレンドオブニッカとの違いは、全体的に古酒の比率を下げたので、ボディがミディアムボディになり、古酒特有の尖った癖のある味わいがなくなり、飲みやすくなりました。味わい深さが消えたと言ってもいいでしょう。一方で、カフェグレーンは良質なものを使ったのでしょうか。このスムースでソフトな良さは、「鶴」を思い出させるものがあります。余市と宮城峡の原酒もまぁまぁ、出来る限り古いものを使っているのでは? りんごの風味はおそらく余市でしょうが、やや古いものでないとこーゆー味はでませんね。宮城峡は若くてもそーゆー味していますが、少し尖ったウッディネスさがあるので、やはり余市ではないかな?? まぁ、でも若い原酒で作られているのは間違いないですね。



とにかくよく出来ているブレンドです。自信をもってここに「ニッカは戻ってきたね」と言える良い物だと思います。



お薦めですよー。4000円前後で買えれば文句なしの一本です。



by dondiego4 | 2020-04-12 23:05 | ご機嫌な時に書かれるウイスキーレビュー